日頃、創作活動の合い間に考えていることを“つぶやいて”いきますので、お気軽に閲覧いただければ幸いです。
【2022年 7月】
2022.07.10(日) 「絵の観方 その2」
前回に続き絵をどう観るかについてですが、私なりの意見なのでこれも、一般的かと言うとわかりませんが、学者と言われる人の意見を鵜呑みにするより自分の目で観て感じることの大切さを言って来ましたが、絵のなかには、意味があってそれを知って観ると、より深く感じる出来るものがあると思います。特に宗教画なんかは、その1つです。
では、例として本当に感動した作品を紹介します。エルミタージュ美術館のシモーネ、マルティーニの受胎告知です。A4くらいの小さな作品で木にテンペラ画です。マリヤだけが描かれていますが、正に今キリストを身ごもったことを聞かされた時の表情が表現されています。此を観てなんて美人で官能的なのだろうと思っただけでは勿体ない。今でも、覚えのない女の一生をも決める妊娠を言われおまけに、神の子なんて、素直に嬉しいなんて思えませんよね。
何故私なの、それに使者が天使で、此は現実なの?これからどうすれば良いの?嘘であってほしいなんて思いませんか。不貞のそしりを受けてこれから生きていくなんて迷惑千万、出来れば嘘といってくださいと思いますよね。そんな心情が聖職者で男の人が描いている。
良く観ると、肌や目に、沢山の色が使われていて観ていると、心の動きに色が絡み合って行くように見えます。学者的には、百合や景色や置物に意味を解説していることが多いですが、このドラマチックな刹那を隣のおばちゃんのようにみる方が楽しいと思います。私ならどうすると考えながらドラマのヒロインに成りきって観る。これも良いのでは。
2022.07.06(水) 「絵の観方」
本来絵は、自由に観れば良いものですが、こんな見方もありかなと思うことを少し書こうと思います。
良く観光旅行に行くと有名な美術館に行くことがあると思います。そこで添乗員のかたが面白く次からつぎと話して出ていったら何にも思い出せないなんてことありませんか?
説明を聞きながらスマホのシャッターばかり押して自分の目で観ていなかったのでは?私は、どんなに沢山の有名画家の絵がならんでいたとしても、せいぜい1~2点をしっかり観たらあとは、建物の柱や床、雰囲気を楽しむことにしています。写真はほとんど取りません。作品の写真は、私より断然上手くとったのが売店で売っていると思います。
やっとこの美術館に来て大抵素晴らしい建物、柱も床も美術品的美しさ、光も、見える景色もそこをゆったりと歩く私、その時間を楽しむ、その中で本当に観たかった絵が眼前にあるならこんな幸せ最高では?
バタバタ忙しい時間を過ごすのは、勿体ないですよね。静かに自分と対話して時の流れを感じることで、充分。そんなことで経験が重なり想い出になればと思います。絵を観る前で今日は終わってしまいましたので次に続けます。