日頃、創作活動の合い間に考えていることを“つぶやいて”いきますので、お気軽に閲覧いただければ幸いです。
【2020年 7月】
2020.07.28(火) 「筆のお話」
弘法筆を選ばずと言う言葉を知ってられると思いますが、日本画の筆について、先ずは、自分にあった筆があること、良く高ければ間違いないと思われることもありますが、私は、筆は消耗品と考えています。
ためておおらかなものを描くのなら、筆の毛が多いと絵の具の含みが良く滴し込みに適します。筆の根本から半分くらいのところの太さに注意してください即妙や円山。
また線のたつキリッと描きたいなら筆先が長く尖っているものが良いと思います。自然に尖っていくと言うより急に尖る、削用やロウケツ染めに使う絵更紗と言う筆が良いと思います。
腰の柔らかい、固いも好みもありますが、柔らかいのは、太い線を書く用に描く、固いものは、色を塗り込む感じです。また細い線を描くのに、筆先が短いのを選びがちですが、できれば長くて先が尖っていくのが長いものの方が、粒子のある岩絵の具を含んで長くて強い線を描くのに適しています。
また筆を買う時は、しっかりどうノリで固めているか見てください。癖のない自然なのが良く、ねじれていたり不自然な太い毛が混じっているものは避けた方がいいです。
あとは、使ったあとはしっかり洗って形を整えて乾かしてください。水に入れたままや膠がついてカチコチにしないよう。パサつくようでしたら髪に使うリンスをしてください。良い筆を選ぶことも大事ですが、毎回の手入れも気持ち良く描くのに大事です。ご参考になれば幸いです。
2020.07.08(水) 「日本画の基礎 第3回 もみじとアスパラガスの写生」
今日はもみじとアスパラガスを掲載しました。どちらも季節のものです。
アスパラは、まっすぐではなく緩やかな曲がりをどう見るかで、随分印象が変ります。良く対象を見て個性を見つける、描く前に頭の中で出来上がりを想像してみる。規則的についているここでははかまを特に観察する。
次にもみじ、これも茎から必ず二枚の葉が出ており、種はその間から出てきています。補助線を効果的に入れて全体のバランスの確認する。間違いやすいのは、軸が葉に直線でついておらず、たわんでつくことです。一度チャレンジしてください。
日本画の写生は、線が命ですので線を画くトレーニングと思って怖がらず少し勢いをつけて描くのもいいかも。 簡単に色をつけるのなら、明るめの色を想像してください。現実と思っている色と、絵画的とは、かなり違っています。それはまた別の機会にお話します。