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※基本は第1、第3火曜日です。

 

   日本画教室案内


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良子の部屋

 日頃、創作活動の合い間に考えていることを“つぶやいて”いきますので、お気軽に閲覧いただければ幸いです。

【2018年 3月】

 

2018.03.24(土) 「女流作家」

 三岸節子という女性作家があります。作品と人伝の言葉しか存じないのですが、若い頃女流作家展を洋画日本画合同でされており、参加させていただくことに、誇りと嬉しさ、そして緊張を感じていました。

 

 当時の画壇はかなり男尊女卑の印象の強い時代でした。芸大に合格するにも公募展に出品するにも女を意識させられました。戦後強くなったのは、女とストッキングなんて言われていましたが、女性の社会的進出も色んな分野で増えてきた時でもありました。その一番前を堂々と歩いておられるあこがれの作家でした。

 

 作風は男性よりエネルギッシュで強烈な色を自在に使いながら洒落てもいました。ただ重い暗いなんてものではなく、女性特有の繊細さもありました。旦那様もご子息も絵描きと聞いて、絵描きになるには、女性としてのこと結婚、出産をあきらめないと、と思っていた私にとって衝撃でした。でもその心の葛藤がエネルギッシュなマグマになったのなかと思います。命懸けで絵に向き合うという言葉も重みがぐんと伝わるような作風でした。

 

 今こんなことをいうと陳腐に聞こえるかもしれないですが、毎日製作していると作業としての行為に流されていないか、立ち止まって考えないと思います。でもこの作家の作品は、写真ではなく生で見ていただきたいのですが、さて何処と言えないのが残念至極です。色と塗りかさねられた時の筆づかい、息づかいまで伝わる迫力を。やはり女性の方が、強いのかも。 

2018.03.11() 「桜」

 急に春めいてくると桜のことを考える人が増えるように思います。私の思い出はまず京都岡崎公園近くで生まれ育ったので疎水部りの桜です。あまりにも沢山の花のため枝がその重みで川に浸かるのです。

 

 東京はソメイヨシノが主なので咲きはじめて散るまで約1週間、本当に短くて潔いようですが、京都は約1月いろいろな種類の桜が咲きます。はじめにさっぱりした枝垂れ桜から山桜、ソメイヨシノ、そして名前を持つ桜太白、寒山、御衣香等々銘木が咲き八重桜が、終わりに御室の桜で最後にベニシダレで終わります。

 

 私はこの御室の桜を植えていますが、ふっくらとした柔らかいピンク色で乙女がはにかんでいるような風情に思えます。またこの桜を観る時に思い出す絵があります。小林古径の日高川、道成寺を絵巻にしたものです。恋ゆえに女が川を素足で渡ろうとする時すでに盲目となります。男は逃げに逃げてついにぼん鐘のなかにそれを大蛇になり恋の炎で鐘ごと燃やしてしまいます。きっと二人ともこの世の人ではなくなってしまいます。そして最後に大木ではない桜が満開のなのにしづかにしづかに花びらが落ちていくのです。

 

 全て終わった、でもそうなのか余韻を残し心に花びらがつもりつもり、悲しみも怒りもかなわなかった想いも全て浄化させていくということは、こうしたことかと感じます。今今年の桜を想い、過ぎた私の思い出の断片をいとおしくその上に重ねて咲く時を焦がれる想いで想像しています。さてあなたの桜は、どんな花でしょうか?きっと素敵にお話があるはずでしょう。もうすぐです。