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※基本は第1、第3火曜日です。

 

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良子の部屋

日頃、創作活動の合い間に考えていることを“つぶやいて”いきますので、お気軽に閲覧いただければ幸いです。

【2017年 8月】

2017年08月30日(水) 「気になること」

  この頃ドラマやアニメを見ていると、簡単に人や生きものが死んでまた復活する。見ているものは、ああ良かったと思うもののこれは、ちょっと待てよと思いました。

 

 容易く怪我が治ったり、生き返ることができるなんて思うことが、逆に命を大切にすることをないがしろにしないか。子どもの頃に、人を殴ると自分の手も痛いのに驚いたりしなかったでしょうか。また可愛いがっていたペットが、死んでしまった時に悲しみを知ったように思いませんか。これは実体験でなければいけないように思います。

 

 バーチャルでは触感が欠落しているので、悲しみの深さが、軽いのでは。おまけにそのことが、上手く復活するなんて。深く本当に悲しんだり、激しく怒ったりすることが、喜ぶ大きさに繋がらないでしょうか。

 

 子どもの頃になるべく喜ぶことだけでなく感情のさまざまなことを体験できることを望みます。  こんなことを考えました。

2017年08月21日(月) 「イメージ」

  私は絵描きですので、絵を上手に描けると思われていますが、唯一の趣味のゴルフは、いわゆる、下手の横好きで、努力の実らないタイプです。

 

 でもなんのはずみか、自分でもビックリするようなことが出来たりすることがあります。そんな時、一緒にプレーしている同伴者から、過剰に驚かれたりすると複雑な気持ちになります。絵もそんなことが稀にあります。ただそれは、実は不断の努力の成果ではないでしょうか。

 

 その上で、私はできると思うことで、なにかのはずみで、出来たりするように思います。回数が増えていくと自信になっていくのでしょう。頭の中で思い描けなければ決して、出来たりしない。ならばどんどんああしたい、こうなりたいと思う方が幸せかも。マイナスのイメージは、持たないようにすることが、上手くいく早道なのかもしれないと思います。実は、私がいつも自分を励ます時に言い聞かす言葉です。

2017年08月13日(日) 「アトリエから」

  真夏に秋をテーマの風景を描いています。たいていの絵描きは、冬に満開の桜を想い、春に滴る雨の風情を、秋に次に来る寒さの中に咲く可憐な花の心を見ようとする。想像の森に遊ぶ。

 

 そんなことを考えていたら、少しずつ季節が移っているのを発見しました。夜明けが遅くなって、夕方の空が透き通るような空気に夕焼けが色をさす。庭で虫の鳴き声が聞こえ始めました。

 

 いつまで虫の鳴き声が、今年は聴けるでしょうか。季節はちょっとだけ秋に向かい始めたようですね。

2017年08月07日(月) 「絵のみかた」

  よく、どう絵を見ればいいのですかと質問される時、私は、例えば、「この目の前の作品をひとつだけ、貰ってもいいですよ。」と言われたら、皆さんはどんなことを考えるでしょうか?

 

 一番高そうな絵ですか?それとも自分の家に飾りたいものですか?どちらにしても急に手が届くと思うと、かなり真剣に見ると思います。そう考えると、自ずと好き嫌いが出てくるでしょう。名画と言われたって好きでないものは、好きでなくていいのです。特に現代アートなんて、好き嫌いがはっきりしてもいいのです。

 

 失礼を承知で言うのですが、学者たちは、自分では、美を創れないのです。なのに、美について、語ることで生きているのです。人と違う特にこの頃は、ドラマチックに自分だけが見つけたようなことを言った方が、話題になります。

 

 私は、もっと素直に好き嫌いを思えばいいと思います。洋服や髪型を考えるように。でもレンズを通してとか、コピーを見るのではなく、生の本物の作品を見ることをお勧めします。 

2017年08月01日(火) 「海外旅行」

  ロシアに団体旅行で行きました。個人で行くこととの違いは、ガイドさんがなんでも助けてくれそうで、食事も予定もおまかせです。でも一番驚いたのは、目で見る前にカメラで、パチパチ。せっかく遠くまで来て、レンズを通してしかものを見ないなんて、テレビで美しい映像を見ている方がましなように思います。

 

 生をゆっくり見つめる大事さ。こんなことをいうと絵をどう見ていいかわからないという声が聞こえてくるようですが、例えば、もしどんなお洋服が好きですかと聞くと、かなりの人が「私は、こうです。」なんて答えられると思います。

 

 私は、実は、ロシアについて何も勉強して行かなかったので 、エルミタージュ美術館に何があるか知らないままに行きました。そして、シモーネマルティーニの受胎告知のマリアに手が触れそうな距離で、お会いできました。ああなんて繊細な表現でしょう。処女なのに子供を授かるなんてなんと迷惑で、どうすれば良いのか、喜びどころかお先真っ暗で、でも只ごとではない予感に揺れ動く心がありありと見事に表現されていました。

 

 印刷では見えない微妙な表情、質感、ロシアの空気の中で、光りの中で、なんと色っぽい、悩む女、惑う揺らめき。少し熱く語り過ぎました。でもわざわざ遠くまで行って、会えたことの幸せ。カメラで写すことが、見たことではないと思います。どうでしょうか?