日頃、創作活動の合い間に考えていることを“つぶやいて”いきますので、お気軽に閲覧いただければ幸いです。
2017.02.24(金) 「よくある質問」
「この絵はどのくらいの期間で描けますか?」とよく聞かれます。またかと思いますが説明することが大事と、こう説明することにしています。
まずプロですので作業だけなら数日で描けますが、まず草稿といってどんなものをどんな風に描くかを考えます。そして描くものが決まったら、例えばそれが花だとしたらその形、色をどんなところでどんな風にと、堂々巡りのように考え、形を決めて1ミリ単位で理想のバランスを模索していきます。決まらなければ2週間でも3週間でも考え直し続けます。頭の中で何度も何度も描けます。
これがいわゆる単純な作業ということです。そしてそれが自由に描くまでに何年も写生をします。写生についてはまた別の機会にお話します。
いつも頭の中でいろんな絵を描いて、作業を考えています。紙の上に絵筆での時には完成が見えていなければなりません。
「少しわかって頂けましたか?」と考えました。
2017.02.10(金) 「日本画について」第三弾
日本画の白について、もう少し胡粉(ごふん)について、これにも生成によって盛り上げ胡粉からだんだん粒子が細かく、また不純物を取り除いたものがあります。
一番細かく美しいのはべっぴん胡粉といって売られています。ただ所謂、上等のが良いかというとそうではありません。粒子の細かいものだけで塗り重ねて描くとひび割れの原因になります。
また白を表現するとき赤みや青みや温かい、冷たい、柔らかいなどを考えて使うので、制作するときに塗り重ねの順番を考えます。
理想は塗る回数が少ないのが良いと思います。日本画において塗り重ねることと粒子のあることが多彩な表現につながっていると思います。
下地を作るときに白をどう使うかで出来上がりが左右されると言ってもいいと思います。
2017.02.01(水) 「日本画について」第二弾
お久しぶりです。
日本画の絵の具について、まず初めに胡粉(ごふん)です。貝がらを風化させて内側の白い部分を細かく砕いて生成して作られています。
私達が使用するときはまず乳鉢で細かくし膠(にかわ)を混ぜ団子にします。これを約100回叩いて膠が胡粉にしっかり馴染ませます。これを聞いただけでちょっと面倒だと思うでしょうが、これが美しい絵を描くための極意です。艶の出た胡粉の白は、時が経つほどその白さが増します。
日本画において基本をしっかりマスターすることは手を抜かないことだと思います。